SKS(工具鋼)の焼入れ・焼戻しによる**寸法変化(伸び・縮み)**については、材質、形状、焼入れ温度、冷却方法などによって変わりますが、一般的なプレートの寸法変化の目安を示します。
① SKSの焼入れ・焼戻し条件(HRC55狙い)
焼入れ温度:800~850℃(オイルクエンチ)
焼戻し温度:180~250℃(HRC55程度)
② 一般的な寸法変化の目安(プレートの場合)
1. 全体的な変化
伸び方向(長さ・幅):+0.05%~+0.2%
縮み方向(厚さ):-0.02%~-0.1%
例えば、100mm × 50mm × 10mmのプレートの場合、以下のような変化が予想されます。
長さ:100mm → 100.05~100.2mm(微伸び)
幅:50mm → 50.025~50.1mm(微伸び)
厚さ:10mm → 9.99~9.98mm(微縮み)
③ 寸法変化の理由
マルテンサイト変態による膨張(主に長さ・幅方向に影響)
焼入れ時にオーステナイト→マルテンサイト変態が起こり、体積が約3~4%膨張。
しかし、プレート形状では全体が拘束されるため、伸びは0.05~0.2%程度に抑えられる。
応力緩和による収縮(主に厚さ方向に影響)
焼戻しで組織が安定化すると、一部の応力が解放されて縮む方向に変化。
ただし、厚み方向の収縮は**比較的小さく(-0.02~-0.1%)**に留まる。
④ 影響を抑える方法
低温焼戻しを2回行う(HRC55を狙いつつ、応力を均等にする)
歪み取り焼戻し(250℃程度で長時間保持し、変形を抑える)
最終仕上げ前に荒加工しておく(熱処理後に仕上げ加工で寸法調整)
⑤ まとめ
長さ・幅は0.05~0.2%程度伸びる(100mmなら100.05~100.2mm)
厚みは0.02~0.1%程度縮む(10mmなら9.99~9.98mm)
形状や処理条件によって変わるため、事前に試作や補正加工が必要
より具体的な条件があれば、それに合わせた計算も可能です!
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