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公開日:2025.05.08
「サブゼロ処理(サブゼロ処理、sub-zero treatment)」とは、金属部品(主に工具鋼など)を深冷処理(Cryogenic Treatment)によって改質する工程で、焼入れ後に−75℃〜−196℃程度まで急冷・保持することで、残留オーステナイトをマルテンサイトに変態させ、寸法安定性・硬度・耐摩耗性を向上させるために行われます。
サブゼロ処理における寸法変化は、材質・形状・熱処理履歴などによって異なりますが、以下のような傾向があります。
寸法変化量は非常に小さい(μmレベル)
※焼入れ後の残留オーステナイトがマルテンサイトに変わることで、若干の収縮が発生する。
例:全長100mmの部品で、0.5〜2μm程度の収縮が起こることがある。
高精度部品には寸法安定化のために有効
特に研削加工前や最終仕上げ前にサブゼロ処理を行うことで、後工程での寸法変化を抑制できる。
最終寸法仕上げの前に実施することが推奨される。
応力緩和と組み合わせることで、さらに安定性を高めることができる。
熱処理前後の寸法測定データを蓄積しておくと、変化予測に役立つ。
用途によっては、−196℃(液体窒素)まで冷却する「超サブゼロ」と呼ばれる工程が使われます。
必要であれば、材質別の寸法変化量の目安も調べられます。