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公開日:2025.04.11
焼き入れによってHRC60以上の高い硬度に達します(鋼種にもよる)。
これにより、耐摩耗性が飛躍的に向上し、長寿命な金型や刃物になります。
高硬度に加えて、組織内に**炭化物(Cr、Mo、Vなど)**が微細に分散することで摩耗に強くなります。
特に、**冷間工具鋼(SKD11など)**ではこの性質が重要。
鋼種によっては、焼き戻しとの組み合わせで適度な靱性(割れにくさ)も確保できます。
ただし、高硬度にしすぎると脆くなるため、使用用途に応じて焼き戻し温度や条件を調整します。
焼き入れ時の急冷(特に油冷・空冷)によって変形や歪みが出ることがあります。
精密な部品の場合、機械加工→中間焼きなまし→仕上げ→焼き入れ→仕上げ研磨というプロセスが必要になります。
焼き入れ後の内部応力を取り除くため、**焼き戻し(tempering)**が不可欠。
目的に応じて、一次焼き戻し~二次焼き戻しを行い、靱性と寸法安定性を確保します。
鋼種 | 特徴 | 用途例 |
---|---|---|
SKD11(D2) | 高硬度・耐摩耗性、靱性やや低め | 冷間プレス金型、パンチ、せん断刃 |
SKD61(H13) | 熱間強度が高く、耐熱衝撃性に優れる | ダイカスト金型、鍛造金型 |
DC53 | SKD11よりも靱性が高く、割れにくい | 冷間型、高耐久のパンチ・ダイ |