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公開日:2025.05.08
ソルト焼入れ(塩浴焼入れ)における歪み具合は、他の焼入れ方法と比較して小さい傾向がありますが、それでも完全に歪みを避けることはできません。以下の要因が歪みに影響します:
急冷による熱応力
急激な冷却により、素材内部に温度差が生じ、それが応力となって歪みやすくなります。ソルトバスは比較的均一な冷却が可能ですが、完全に歪みをゼロにするわけではありません。
素材の形状と寸法
長尺物や複雑形状のものは、温度分布が不均一になりやすく、結果として歪みやすくなります。
冷却剤(ソルトバス)の条件
ソルト焼入れは、オイル焼入れなどと比較して熱伝導が良く、均一に熱が伝わるため、歪みは抑えられます。特に空気冷却や水冷と比べて、冷却速度をコントロールしやすいです。
事前処理の適切さ(加熱均一性や保持時間)
焼入れ前の加熱時に温度ムラがあると、冷却時に応力が集中して歪みや割れの原因となります。
冷却方法 | 歪みの傾向 | 特徴 |
---|---|---|
水焼入れ | 大きい | 冷却速度が早く、割れやすい |
油焼入れ | 中程度 | ソルトよりややムラが出やすい |
ソルト焼入れ | 小さい | 均一加熱・均一冷却が可能、歪みが最も少ない方法の一つ |
加熱・冷却の均一化(ソルトバスの温度管理)
材料の対称形状設計
プレヒートの導入
適切な冷却温度での処理(急冷を避けすぎない)